今回は、コンビニエンスストアの第二の基本コンセプト、「時間」についてお話しします。今では、ほとんどのコンビニが24時間営業しているのでご存じない方もおられるかもしれませんが、「セブン‐イレブン」という名称は当初、朝7時から夜11時まで営業しているお店、つまり朝早くから夜遅くまで開いているお店というコンセプトを表したネーミングでした。当時、商店街の店舗は朝10時ぐらいに開店して、夕方5時か6時には閉店するのが一般的だったと思いますし、スーパーも朝9時か10時ぐらいから、夕方6時か7時ぐらいまでの営業だったように思います。
セブン‐イレブンの第1号店が開設された1974年は、前年に起きた第1次オイルショックの打撃により、わが国の高度経済成長期が終焉して安定成長期に移行する時期ですが、経済成長の恩恵を受け、社会インフラが整備された時代でもありました。それにより街灯やネオンなどの夜間照明が普及し、その影響で夜間の外出の安全性が高まり、徐々に人々の生活は夜遅くまで活動するスタイルに変化していきました。さらに、そこに商機を見出した飲食店などの商店が営業時間を延長するようになると、それがまた生活者がより遅くまで活動する傾向を強めていった訳です。
こうして考えると、結果的にコンビニは当時の人々の生活スタイルの変化を先取りし、それに応ずべく生まれたものだとも言えます。鈴木元会長の経営に対する考え方の根底にあったのは、「変化に対応しなければ生き残ることはできない」という強い危機感だったと言われます。現代の経営学の考え方の根底には、「ダーウィニズム」の思想があるのですが、それは有名なイギリスの自然科学者C.ダーウィンの唱えた「進化論」のテーゼ、自然淘汰における「適者生存」という考え方です。
実は、経営学の一分野「経営戦略論」のベースにも、このダーウィニズムの思想が根付いています。万物流転、自然環境同様に企業を取り巻く環境は常に変化しているので、それに適合できなければ企業は淘汰されてしまう。故に、環境適合のために策定されるのが「経営戦略」だという訳です。鈴木氏の危機感は、まさにこうした考え方から生まれ、それがコンビニ経営における数々の戦略によって結実し、今のコンビニのスタイルが確立したのです。
一方、最近、夫婦共働きの家庭や一人親家庭、さらに単身世帯が増えていることから、仕事で夜遅くなっても自宅近辺で買い物ができるコンビニの利便性が、より高まったことは間違いないでしょう。また、「中食」という言葉をよく見掛けますが、仕事の関係で調理時間を確保するのが難しい人たちをターゲットに、調理済みの弁当や総菜、家に帰って一手間掛ければ、すぐに食べることのできる冷蔵食品や冷凍食品などの種類が増えているようです。これも、ある意味では環境適合のための戦略の一つの現れだと言えます。
しかし、店は開いていても、欲しいものがなければ意味がありません。その点、コンビニにはボクたちの日常生活に必要なものは大方、揃っているのではないでしょうか。そこで次回は、それを実現したコンビニエンスストアの第三の基本コンセプト、「品揃え」について考えてみることにしましょう。 (つづく)
セブン‐イレブンの第1号店が開設された1974年は、前年に起きた第1次オイルショックの打撃により、わが国の高度経済成長期が終焉して安定成長期に移行する時期ですが、経済成長の恩恵を受け、社会インフラが整備された時代でもありました。それにより街灯やネオンなどの夜間照明が普及し、その影響で夜間の外出の安全性が高まり、徐々に人々の生活は夜遅くまで活動するスタイルに変化していきました。さらに、そこに商機を見出した飲食店などの商店が営業時間を延長するようになると、それがまた生活者がより遅くまで活動する傾向を強めていった訳です。
こうして考えると、結果的にコンビニは当時の人々の生活スタイルの変化を先取りし、それに応ずべく生まれたものだとも言えます。鈴木元会長の経営に対する考え方の根底にあったのは、「変化に対応しなければ生き残ることはできない」という強い危機感だったと言われます。現代の経営学の考え方の根底には、「ダーウィニズム」の思想があるのですが、それは有名なイギリスの自然科学者C.ダーウィンの唱えた「進化論」のテーゼ、自然淘汰における「適者生存」という考え方です。
実は、経営学の一分野「経営戦略論」のベースにも、このダーウィニズムの思想が根付いています。万物流転、自然環境同様に企業を取り巻く環境は常に変化しているので、それに適合できなければ企業は淘汰されてしまう。故に、環境適合のために策定されるのが「経営戦略」だという訳です。鈴木氏の危機感は、まさにこうした考え方から生まれ、それがコンビニ経営における数々の戦略によって結実し、今のコンビニのスタイルが確立したのです。
一方、最近、夫婦共働きの家庭や一人親家庭、さらに単身世帯が増えていることから、仕事で夜遅くなっても自宅近辺で買い物ができるコンビニの利便性が、より高まったことは間違いないでしょう。また、「中食」という言葉をよく見掛けますが、仕事の関係で調理時間を確保するのが難しい人たちをターゲットに、調理済みの弁当や総菜、家に帰って一手間掛ければ、すぐに食べることのできる冷蔵食品や冷凍食品などの種類が増えているようです。これも、ある意味では環境適合のための戦略の一つの現れだと言えます。
しかし、店は開いていても、欲しいものがなければ意味がありません。その点、コンビニにはボクたちの日常生活に必要なものは大方、揃っているのではないでしょうか。そこで次回は、それを実現したコンビニエンスストアの第三の基本コンセプト、「品揃え」について考えてみることにしましょう。 (つづく)