6月6日、今年も府中市では「備後国府まつり」が開催されます。府中市は人口33,300人の古い歴史を持つ自然豊かな内陸の町ですが、その地名は古く8世紀の律令時代、全国統治のために中央政府の出先機関として設けられた「国府」の一つである「備後国府」に由来しており、府中という地名は例えば「武蔵国府」のあった東京都府中市を始め、今も全国に残っています。
また、当市で生産される「府中味噌」や「府中家具」は全国的にも有名で、中でもタンス生産は江戸時代からの地場産業であり、特に、戦後の団塊の世代が結婚適齢期を迎えた高度経済成長期には婚礼家具の需要が高まり、「府中タンス」は黄金期を迎えます。しかし、結婚ラッシュが過ぎ去ると結婚件数は大幅に減少する一方で、住宅の洋風化によって家具やクローゼットが新築住宅やマンションには予め据え付けられるようになり、婚礼家具を主力としていた家具産業は勢いを失っていきました。
昨年、地元の方から国府まつりへのお誘いを受け、集まった方々と歓談しながら打ち上げ花火を見物しました。その時、同席の方から「去年、府中市で生まれた赤ちゃんの数は何人だと思いますか?」という思い掛けない質問を受け、首を捻っていると「135人です。これでは町の将来が思いやられます」と聞いて、そんなに少ないのかと心から驚きました。まさに、足元を掬われたという感じです。
現在、府中市内には「府中高校」、「府中東高校」、「上下高校」と3つの県立高校がありますが、今年度の入学定員は各々200人、160人、40人の計400人でした。それを前提に、もし一昨年生まれた子供たちが府中市に住み続け、全員が府中市内の県立高校に進学したと仮定すると、3校の定員充足率の平均は34%という計算になります。そして、この驚くべき状況は遠い将来の話ではなく、彼らが高校に進学する14年後には確実に起きるということです。
この14年後というのは、財務省の私立大学削減案の期限である2040年と奇しくも一致します。以前にもお話ししましたが、経営学者のドラッカーは市場動向のうち最も重要な指標は人口構造の変化であり、人口構造だけが未来に関する唯一の予測可能な事象、すなわち「すでに起こった未来」だとしています。
そこで、経営者の皆さまに是非とも肝に銘じていただきたいことは、現在、教育界を震撼させている生徒・学生数の激減トレンドが近い将来、経済界にも押し寄せて来るということです。今、人手不足が取り沙汰されていますが、今後はより深刻な問題として襲い掛かって来ます。さらに悩ましいのは、それが雇用の問題に止まらず、需要者の減少つまり国内市場の急激な縮小をもたらすということです。加えて、2040年には大方の団塊世代の年齢が平均寿命を越してきますので、人口の自然減を勘案すれば尚更それは深刻さを増すものと考えられます。
さて、これがわれわれの迎える未来の姿です。それは、単なる悲観論や予言を超えた「すでに起こった未来」の実像です。では、それにどのように備え、人口減少社会にどう対処するのか。現実を直視し、難局に自社の活路を見出す方策を、今から真摯に考えることが経営者の重要な役割の一つであることは間違いないと、ボクは思っています。
また、当市で生産される「府中味噌」や「府中家具」は全国的にも有名で、中でもタンス生産は江戸時代からの地場産業であり、特に、戦後の団塊の世代が結婚適齢期を迎えた高度経済成長期には婚礼家具の需要が高まり、「府中タンス」は黄金期を迎えます。しかし、結婚ラッシュが過ぎ去ると結婚件数は大幅に減少する一方で、住宅の洋風化によって家具やクローゼットが新築住宅やマンションには予め据え付けられるようになり、婚礼家具を主力としていた家具産業は勢いを失っていきました。
昨年、地元の方から国府まつりへのお誘いを受け、集まった方々と歓談しながら打ち上げ花火を見物しました。その時、同席の方から「去年、府中市で生まれた赤ちゃんの数は何人だと思いますか?」という思い掛けない質問を受け、首を捻っていると「135人です。これでは町の将来が思いやられます」と聞いて、そんなに少ないのかと心から驚きました。まさに、足元を掬われたという感じです。
現在、府中市内には「府中高校」、「府中東高校」、「上下高校」と3つの県立高校がありますが、今年度の入学定員は各々200人、160人、40人の計400人でした。それを前提に、もし一昨年生まれた子供たちが府中市に住み続け、全員が府中市内の県立高校に進学したと仮定すると、3校の定員充足率の平均は34%という計算になります。そして、この驚くべき状況は遠い将来の話ではなく、彼らが高校に進学する14年後には確実に起きるということです。
この14年後というのは、財務省の私立大学削減案の期限である2040年と奇しくも一致します。以前にもお話ししましたが、経営学者のドラッカーは市場動向のうち最も重要な指標は人口構造の変化であり、人口構造だけが未来に関する唯一の予測可能な事象、すなわち「すでに起こった未来」だとしています。
そこで、経営者の皆さまに是非とも肝に銘じていただきたいことは、現在、教育界を震撼させている生徒・学生数の激減トレンドが近い将来、経済界にも押し寄せて来るということです。今、人手不足が取り沙汰されていますが、今後はより深刻な問題として襲い掛かって来ます。さらに悩ましいのは、それが雇用の問題に止まらず、需要者の減少つまり国内市場の急激な縮小をもたらすということです。加えて、2040年には大方の団塊世代の年齢が平均寿命を越してきますので、人口の自然減を勘案すれば尚更それは深刻さを増すものと考えられます。
さて、これがわれわれの迎える未来の姿です。それは、単なる悲観論や予言を超えた「すでに起こった未来」の実像です。では、それにどのように備え、人口減少社会にどう対処するのか。現実を直視し、難局に自社の活路を見出す方策を、今から真摯に考えることが経営者の重要な役割の一つであることは間違いないと、ボクは思っています。